シャドーイングとは英語を聞きながら英文をそのまま真似して発音する練習法のことを言います。英文を聞いたあとに自身で繰り返すのではなく、聞いているそばから影のように追いかけるように真似していくためシャドーイング(Shadowing)と呼ばれています。
シャドーイングのメリット
発音が改善される
シャドーイングはネイティブスピーカーの英語音声に続いて英語を発音していくため英語発音が鍛えられます。できるだけネイティブスピーカーの音声と同じように発音するよう心掛ければ自然と英語発音も改善されていきます。
スピーキング力の向上
ネイティブの英語音声のあとに続いて英語を発音していくため、ネイティブ独特の英語のリズムや抑揚を身につけることができます。日本の方には、学校やTOEIC等の英語資格の試験でも求められてこなかったため、リーディングやライティングなどは比較的得意だが、スピーキングはほとんどできない(してこなかった)という方が多いと思います。シャドーイングは、一人で気軽に実践できるスピーキング能力を鍛えることのできる学習方法の一つです。
リスニング力の向上
そもそも英文を聞き取れないと発話できないため、シャドーイング中は非常に集中して英語を聞いていくことになります。また、音声を聞いているそばから復唱していくため、実質的にはスピーキングを行いながら同時にリスニングを行うこととなり、スピーキング力とリスニング力を同時に鍛えることができます。
シャドーイングのデメリット
英語学習初心者には向かない
シャドーイングのデメリットは英語学習初心者に向いていない点です。最低限のリスニング力、また基本的な英文法への理解や単語力無いと、そもそも「聞き取れない→発話できない」となるためシャドーイングとして成り立ちません。そのため、シャドーイングは中～上級者向けの学習方法と言えます。
間違った発音で覚えてしまう可能性がある
シャドーイングは英文を聞いているそばから真似して発話していく練習方法です。ただ、自分では聞いたとおりに発音して話しているようでも実際の発音は全く別のものになってしまっている場合があります。真似するレベルが雑になってしまうと間違った英語の発音やリズムを身に着けてしまうことにもなりかねません。定期的に自身の発音を録音し、ネイティブの英語音声と聴き比べるなど客観的に自分の英語の発話を見直すなどして変な癖がつかないようにすることが大切です。
シャドーイングのやり方
1. 英語音声を聞く
まずは用意した英語音声をスクリプトを見ずに全文聞きましょう。英文全体を一度聞いて大まかな内容を可能な限り把握しておきます。
2. シャドーイング(全文)
次は英語文を聞きながらシャドーイングを行います。この時スクリプトは見ずに、流れてくる英語音声だけを頼りにシャドーイングを行ってください。その際、わからなかったところ、つまずいてしまったときに立ち止まらずにすすめてください。
3. シャドーイング（１〜２文）
全文のシャドーイングで躓いてしまうところが多くある場合には、英語音声を1~2文程度の細かいパートに区切ってシャドーイングを行います。全文でのシャドーイングでは次々流れてくる音声に追いつくために聞き取れなかった/発話できなかった部分も短文でのシャドーイングで聞き取れる/発話できる部分が広がるようになります。
4. スクリプトを確認する
英文スクリぽうとを確認し、自身が聞き取れなかった部分、また聞き取った中で間違いがあった部分を確認してください。※この時、音声は聞かず(発話もせずに)スクリプト確認を行ってください。
5. シャドーイング(全文)※二回目
スクリプトを確認した上で、再度スクリプトは見ずに全文のシャドーイングを行います。また、二回目の全文シャドーイングの際は自身の発話を録音するようにしてください。
6. 英語音声と自身の発話を聴き比べる
最後に自身の二回目の全文シャドーイングを録音したものとネイティブの英語音声を聴き比べてください。自分の発話を客観的に聞くことでネイティブとの発音や抑揚、リズムの違いを認識することで次回以降のシャドーイングに活かすことができます。
シャドーイングにおすすめのツール
DingulTube
DingulTubeは動画を通してシャドーイングが実施できる無料アプリです。題材が映画やテレビ、アニメなので自身の好きな動画を選びながら飽きずに学ぶことができます。また、自身の英語の録音機能もあるため、シャドーイングをするのに非常に便利なアプリです。
English Buddy
English BuddyはVOAの記事を通してシャドーイングが実施できる無料アプリです。英語音声をアメリカ英語、イギリス英語と選べるため自身の好みに合わせた英語学習が実施できます。また、リスニングが苦手な方には嬉しい英語音声のスピード調節機能もついています。
