ディクテーション(Dictation)とは、英語の音声を聞き、書き取る練習法のことをいいます。英語一語一句を集中して聞いてく練習法のため、リスニング力の向上が見込めます。
ディクテーションのメリット
自分の弱点に気づける
ディクテーションの優れている点は、わからなかった内容から自身の弱点がわかることです。
例えば、
英語スクリプトは理解できるのに聞き取れなかった
→英語の発音の聞き取りに課題
英文内に意味のわからない単語が複数ある
→語彙力に課題
などです。
ディクテーションを通して自身の苦手な部分がわかるため、上記前者であれば英語の発音を重点的に学習、上記後者であれば語彙力の強化など自身の弱点にあわせて英語学習を進めていくことが可能です。
リスニング力の向上
多くの単語を聞き取れるように集中して英文を聞いていく練習法のため、リスニング力の向上に繋がります。
ライティングに慣れることができる
リスニング力の向上だけでなく、書き取る作業を通して英文のライティングに慣れていくことができるのもディクテーションのメリットです。
ディクテーションのデメリット
英語学習初心者には向かない
ディクテーションのデメリットは英語学習初心者に向いていない点です。最低限のリスニング力、また基本的な英文法への理解や単語力無いと簡単な英文でも聞き取ることが難しいため、ディクテーションは中～上級者向けの学習方法と言えます。
時間がかかる
ディクテーションは英文を複数回聞きながら書き取りを行っていくため、シャドーイングなどの学習方法と比較してどうしても時間がかかります。
スピーキングや発音のスキルは向上しない
ひたすら英文を聞いて書き起こしていく練習法のため、スピーキングの練習や自身が英語を話す際の発音の改善にはなりません。
ディクテーションのやり方
1. 英語全文を聞く
まずは英文スクリプトを見ずに全文を聞きましょう。英文全体を一度聞いて大まかな内容を可能な限り把握しておきます。
2. 英文を１〜２文程度の細かい単位に区切って聞き、書き取る
はじめに聞いた英文を１〜２文単位で細かく区切って聞きましょう。英語音声だけで文の区切りがわからない際には「ここで大体１文ぐらいかな？」と思った場所で良いので音声を細かく区切って聞いてください。また、今度は聞く際に英文を書き取っていきましょう。聞き取れなかった際は繰り返し聞き、書き取りを行ってください。5回以上繰り返し聞いても聞き取れなかった部分については空けておいて良いので、次の部分の書き取りに進んでください。
3. 一度自身で英文全体を確認する
書き取りがすべて終了したら、一度自身で英文全体を見直し、聞き取れなかった部分の単語を前後の文から推察、また、スペルミスや冠詞(aやtheなど)の使い方、文法上の誤りが無いかを一度自身で確認してください。
4. 再度英語全文を聞く
自身がわからなかった部分、また聞き取った中で文法上誤りがありそうな部分に集中して再度英語全文を聞いて書き取りを行ってください。
5. スクリプトを確認する
自身で書き取った英文とスクリプトを並べて答え合わせをしていきましょう。スクリプトの確認の際に重要なことは、自分がなぜ間違ったかとどこが弱点になっているかをしっかりと認識することです。例えば、
・聞き取れなかった部分は知らない単語ばかりだった
→語彙力が弱い
・単語自体は知っているが聞き取れなかった
→英語発音のリスニングに課題
・前置詞や副詞の位置が間違っていた
→文法知識の欠落または句動詞※の知識不足
など、何に間違いとその理由について明確に把握して置いてください。
※句動詞(Phrasal verb)：「動詞＋副詞」または「動詞（＋副詞）＋前置詞」で構成される熟語のようなものです。動詞に副詞や前置詞がつくことでもとの動詞とは違う意味を持ち、動詞のように機能する定型のフレーズのことをいいます。
ディクテーションにおすすめのツール
Speechling
数秒程度の短い英文をディクテーションできる無料サイトです。アメリカ英語とイギリス英語を選ぶことができます。例文の数が豊富で例文も短いものが多いためスキマ時間での学習に便利です。
English buddy
VOAの記事を通してディクテーションができる無料アプリです。シャドーイングにも活用でき、英語音声の再生スピードの変更も可能です。
